2016年12月定例会(公明党代表質問)の概要

2017年04月13日

1 IoTの産業への活用について

奈良県の産業を発展させるためには、IoTの活用が必要不可欠であると考えるが、県はIoTの産業への活用についてどのように取り組んでいるのか。また、今後IoTの活用を県内産業にどのように広げていくのか。

(知事答弁概要)
IoTは、これからの我が国の社会経済の変革の切り札になる可能性があると思っております。本県においても、本県の社会産業の改革にIoTを活用できないかというふうに、研究を始めております。IoTや人工知能等の情報技術のめざましい発展により、これまでにない新しい機能を持った製品やサービスが生まれ、有用な情報を容易に収集することが可能になり、そのことで社会や産業に変革が起こる可能性がございます。議員お述べのとおり、県内企業が発展していくための一つの取り口として、IoTの活用は大事な未来に向けての重要な課題ととるべきじゃないかと思っております。

このような認識から、今年度「IoTの推進」を産業振興施策の柱のひとつとして位置づけて取組を始めております。IoTの活用には、産業から生活まで応用分野を幅広くとらえることができますし、また、技術やサービスの進化のスピードが速いという特徴がございます。さらには用途に応じて効果が一番発揮できる技術のすりあわせというようなものも必要になってくるように思っております。

地域でのIoTの活用例といたしまして、位置情報システムと連動したコミュニティバス運行や高齢者見守りサービスなどがございますが、本県では観光消費の促進にIoTを活用する取組といたしまして、スマートフォン用アプリを開発して、来年1月から社会実証を行う予定でございます。このアプリにおきましては、①観光客へ県内店舗等の情報を提供し消費を促すことや、②観光客の年齢、居住地等、周遊・消費動向等の情報を収集することができます。このアプリを利用されますと逆に情報が入ってくるのが特徴でございます。このような取組により観光客の動線、滞留期間の高い観光箇所の高い精度での把握・分析や様々な分野への活用が可能となります。その情報収集後の活用というのが大事な点だと思います。

このような本県の取組は、7月に経済産業省から地方における先進的なIoTプロジェクト発掘・育成の取組として「地方版IoT推進ラボ」に認定をされました。今後、国と連携しつつ全国のIT企業とのマッチングなどにより県内企業におけるIoTの活用を一層推進し、新しいIoTビジネスが本県で創出されることを目指して参りたいと思いますが、この分野は各県とも各地域とも大変競争の激しい分野でございますので、なかなか気が許せない取組を続けさせていただきたいと思います。

 

2 ひきこもり支援について

ひきこもり状態にある本人やその家族に対して、これまで県が行ってきた支援はどのような効果があったのか。また、ひきこもり支援の目標は就労などの社会復帰であると考えるが、目標に向かって今後どのように取り組んでいくのか。

(知事答弁概要)
ひきこもりは最近拡大が著しい社会現象であり、どのように対処できるのか模索的   な取組をしている段階と認識。

昨年度県庁内に開設した「ひきこもり相談窓口」は、今年度から専任の相談員を増   員し、窓口での相談に加え、新たに県中南部への出張相談を実施。
相談窓口では、ご本人やご家族への相談支援をはじめ、社会参加や就労に向けた支   援を行い、開設から今日まで、約400名余りのケースに対応し、このうち8人の方   が就労に結びつき、約1割の方が外出できるようになるなどの成果があった。

議員から紹介のあったジョブトレーナーは、大変重要なプレーヤーである。
ひきこもりの方に対しての目標は、社会復帰、就労であり、若年無業者の方を対象に   したサポート支援は重要であると認識。
支援の主な内容は、コミュニケーション能力など社会人として必要なスキルの向上   や、就労意欲の醸成を図るとともに、専門家のサポートにより、ご本人の程度やご希   望に応じて、県内事業所で就労訓練を受けていただくというもので、これを継続して   実施。

ひきこもりの一つの典型例として不登校がある。不登校の原因は様々で、心身の疾   患が伴っている場合もあると聞く。教育の場での医療、保健などのサポートによる総   合的な支援と新たな連携が必要。

本県としては、市町村との連携をはじめ、いろいろな機関・専門家と連携しながら、   多くの方をひきこもりから脱却させ、その成功ケースをまた展開するということで、    社会参加、就労に繋げるよう、努力を重ねていきたい。

 

3 ドクターヘリの導入について

平成28年度中の奈良県独自のドクターヘリ導入に向け、運航体制の構築や消防 機関との連携訓練などの準備の状況はどうなっているのか。また、ドクターヘリが 県立医科大学附属病院へ患者を直接搬送するため、県立医科大学附属病院施設の屋 上にヘリポートを設置すると聞いているが、現在の進捗状況について伺いたい。

(知事答弁概要)
奈良県ドクターヘリにつきましては、来年3月に運航開始したいと思います。
その期限に向けての準備を進めているところです。

これまでの準備状況ですが、まず県立医科大学附属病院と南奈良総合医療センターで、ドクターヘリに搭乗する医師・看護師を確保してもらうことになり、和歌山県や三重県の既に運航されているドクターヘリによる実務実地の研修を順次実施しています。

また、消防機関との連携を図るため、今月に、防機関向けの説明会を、年明けには連携実働訓練を実施することにしています。運航開始後も消防機関との症例検討や意見交換などを十分行ってまいります。

次に、県立医科大学附属病院にドクターヘリを直接受け入れるためのヘリポートについては、病棟屋上に設置することから、入院患者などへの工事の影響を最小限にすることを配慮しながら進めており、今年度は、実施設計を行っているところです。

また、デモフライトや騒音・風圧測定などを実施するとともに、周辺住民の方々に対して安全性や環境への影響などの説明を行い、ドクターヘリの運航について、ご理解賜れるよう取り組んでいるところです。

本県の山間地域では救急車による搬送に時間を要することから、重篤な3次救急患者だけでなく、より多くの重症患者を対象として活用して頂ければと思います。南部のおじいちゃん、おばあちゃんは、スマートフォンでドクターヘリと押せば、救急車の代わりにドクターヘリが来ることも現実的な話になっていくのかと思っています。

運航開始後は、南部や東部の山間地域の救急医療体制とともに、災害時の医療提供体制も強化できることになろうかと思います。
三重県や和歌山県と協力することで、3機のドクターヘリの連携体制が紀伊半島南部に構築することができます。救急医療や災害医療の更なる充実が紀伊半島で実現すると思っています。

 

4 下水道施設の管理及び運営について

(1)下水道事業は着手後40年を越え、施設の老朽化も進行しており、不慮の事故のリスクも増大していると考える。ひとたび事故が起これば県民生活に多大な支障を与えるため、老朽化対策は着実に行う必要があると考えるが、県はどのように取り組んでいこうとしているのか。

(知事答弁概要)
下水道は県民の皆様方の衛生的で快適な生活環境を支え、河川の水環境を守る、大変重要な役割を担う社会インフラです。

本県では、昭和45年度に、市町村の公共下水道の処理を行う「流域下水道」の事業に着手し、昭和49年には、「浄化センター」の運転を開始し、早くから取り組んできた県であるかと思います。
平成27年度末には、下水道普及率は約79%、全国で第14位となる県であり、、大和川はまだまだ汚い状況ではありますが、河川の水質改善に大きく寄与しております。

一方、「浄化センター」が供用して42年もの年月が経過しました。今後、老朽化が進行する流域下水道の設備や管渠を如何に適切に維持していくのか、老朽化対策、長寿命化への取り組みが、今、重要となってきております。

本県では、設備や管渠に損傷や不具合が現れてから手当を行う、通常行っております「事後保全」から、将来必要となる修繕・更新の時期と費用を予測しコストの平準化や縮減を図る「予防保全」への移行を目指しております。平成25年度には、4ヶ所の浄化センターの設備や約194㎞に及ぶ流域下水道の管渠につきまして「長寿命化修繕計画」を策定し、これに基づき老朽化対策に取り組んでいるところでございます。

流域下水道の設備につきましては、今年度中に、老朽化が著しいものにつきまして、緊急的な更新を終える予定であります。来年度平成29年度からは、長寿命化修繕計画に基づく本格的な予防保全として、汚泥焼却炉の修繕や処理場の受変電設備の更新を進めていきたいと思います。

また管渠につきましては、劣化が増大するとされます敷設後30年を目安に、管渠内部にカメラを入れて老朽化状況などの調査を実施しております。この調査でひび割れや漏水が発見されれば、管渠の内側から補強するなどの対策を講じることとしており、今年度は、昭和47年に敷設されました天理市内の管渠の一部において補強工事を実施いたします。

今後とも、引き続き、「長寿命化修繕計画」に基づき、流域下水道の設備や管渠の計画的、効率的な老朽化対策、長寿命化対策に取り組ませていただきたいと思います。

(2)今後、人口の減少などに伴い、経営環境は厳しくなっていくことが想定されるが、その中でも持続的に下水道事業を運営できるよう、県はどのように取り組んでいくのか。

(知事答弁概要)
議員ご指摘の通り、運営を巡る現状は、今後の人口減少に伴い、流域下水道の使用料収入の減少が見込まれます。一方、既存の施設の老朽化に伴い長寿命化対策は着実に進める必要がありますので、費用が増すことが予測されます。収入と費用の両面から、流域下水道の経営環境は、今後、一層厳しくなるものと思われます。

このような背景を踏まえまして、今申し上げました『老朽化対策・長寿命化』に加えまして、「地方公営企業法の適用」と、「下水汚泥の有効活用」などに取り組もうと思っております。

「地方公営企業法の適用」につきましては、平成31年度から、財政マネジメント向上のための公営企業会計の導入を目指しております。財務諸表の作成に必要となる固定資産台帳の整備を行うため、今年度から、保有資産の調査・確認作業に着手いたしました。

「下水汚泥の有効活用」につきましては、汚水処理により大量に発生いたします下水汚泥からメタンガスを発生させ、下水汚泥の減量化を図ると共に、バイオマス発電に有効活用することにより、運営コストの縮減を図ることを検討しております。

この他、各家庭からの公共下水道への接続促進、雨天時における浸入水対策、県・市町村施設の一体的な有効活用など、下水道分野での「奈良モデル」としての発展・展開も視野に入れたいと思います。市町村とも連携しながら、持続可能な下水道事業の運営に向けて、取り組んで参る時期が来ていると思います。

 

5 多言語観光案内の展開について

奈良に来られた外国人観光客に向けた多言語観光案内について、県としてどのよ うに取り組んでいくのか。

(知事答弁概要)
奈良県を訪れる外国人観光客数は、近年大幅に増加しています。観光庁の調査等から推計した奈良を訪問された外国人客数は、昨年、過去最高の約103万人でございまして、前年から27万人増えております。今年は1月から9月の第3四半期までに、約125万人となりました。

今後とも増加すると見込まれるこれらの外国人観光客の方々に、良いサービスを展開する必要がございます。奥深い奈良の魅力を堪能し、不自由なく安心して奈良の滞在を楽しんでいただく必要がございますが、そのためには、多言語観光案内が大事であろうかと思います。

外国人観光客のゲートウェイとして昨年7月にオープンした奈良県猿沢インは、外国人観光案内所としての最高ランクである日本政府観光局のカテゴリー3(スリー)を取得し、常時、英・中・韓の3か国語による案内を行っています。これまでに約3万人の方に利用いただきましたが、茶道や書道などの日本文化体験も人気で、世界最大の旅行口コミサイトであるトリップアドバイザーにおいても、利用者から非常に高い評価を受けています。

一方で、外国人への観光案内には、奈良の歴史・文化などの魅力を、日本語の直訳ではなく、背後にあるストーリーを含めてきちんと説明することが不可欠です。文化の本質を説明できたら、と思います。
そのため、語学力だけでなく、高い案内力を持った英語ガイドを養成するための研修を実施し、試験に合格した方を、「県の推奨するガイド」として認定しています。この方たちには、国際会議などで奈良を訪れたVIPの案内などにも携わっていただいています。

また、外国人観光客向けホームページを刷新し、来年1月から運用開始する予定です。デービッド・アトキンソン氏というイギリスの方に監修いただき、さらにネイティブによる外国人目線での奥深い奈良の解説をはじめ、アクセスや宿泊情報など、奈良に来られた外国人観光客が「その場で使える」情報を提供してまいります。

今後とも外国人観光客からの要望が多いフリーWi-Fiなどの基盤整備を進めるとともに、外国人の視点に立った案内ができるガイドの育成や、わかりやすく使いやすいツールによる多言語観光案内に取り組んでまいります。
この点におきましても他地域は熱心に取り組んでおりますので、他地域に負けないような多言語案内を作っていきたいと思います。

山中議員(要望)
外国人観光客に向けた多言語の対応についてですが、今回取り上げさせていただいたのは特に先程知事の方からもありました、その場で使える情報案内ということで、今回このテーマを選ばせていただきました。その内容は、私ども次世代の情報コードということで、コードEXという部分の提案でございます。切手大の大きさの情報コードを読み取ることによりまして、外国人の方に望む音声を流すことができるツールです。そういったことも含めて、これからいよいよいオリ・パラ等の観光客も奈良の方に当然お越しいただけるかと思います。そうした情報提供をしていただけることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。