2021年 11月定例会における代表質問

2021年12月15日

1 地域のデジタル化推進について
地域のデジタル化を進めていく上で、誰もがその利益を享受できるよう、デジタルデバイドを生まないという視点も必要と考えるが、地域のデジタル化を図る戦略にどのように盛り込むのか。

答)【知事答弁】
1 地域デジタル化の推進にあたりましては、住んでいる地域や年齢等にかかわらず、誰もがデジタル技術を活用できる環境を作っていく必要があると思います。情報格差の対策が重要な課題の一つです。デジタルデバイド対策と言うものです。
2 本県では、このため、今年度末までに策定する予定にしております、「(仮称)奈良県地域デジタル化戦略」の原則を8つ掲げようとしておりますが、その中で、「デジタルデバイドへの対応」を定めたいと思っております。県としても、8つの原則のうちの1つとして、デジタルデバイド対応を掲げたいと思っております。
3 具体的な事業ですが、まずは、デジタルデバイド対策を含む、様々な課題に取り組む市町村のデジタル部門の強化です。専門家を派遣して、人材面からの支援をしていくつもりです。また、南部東部地域などで、デジタルの受益が困難な場所については、ITの利用に不慣れであったり、困難を感じる高齢者の方々にスマートフォン利用等を丁寧にサポートする事業にも取り組んでまいります。その他、いろいろアイデアがこれから出てくると思いますが、それを着実に実行していきたいと思います。
4 これらの取組を通じて、市町村とも連携して、効果のあるデジタルデバイド対策、情報格差対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

再質問)【山中益敏】
南部東部地域において、ITの高齢者サポートをするとのことであるが、もう少し具体的な話を伺いたい。

答)【知事答弁】
南部東部のデジタル化ということは、過疎地である方がデジタル化の効果が大きいように思います。そのために、いろいろな分野のデジタル利用があろうかと思いますが、まだこれから詰めていきたいのですが、一つは健康とか、訪問医療の際に、デジタルを使えないかということは考えております。
訪問される保健師、看護師が、個人の情報が入ったiPadを持っていって、それは本人の承諾なしに開けないのですが、本人のスマホがあれば、それと照合し、追加の健診情報を入れる。本人のスマホにも入れるし、iPadにも入れて、南奈良総合医療センターの医師につなぐというようなことも考えられます。
高齢者の方が自分で健康情報を入れるのは、ちょっとぶれる可能性もありますので、誰かが訪問して、「どうですか」と聞いて、場合によっては血圧などを測って入力し、その情報をトレンドで取ることができれば、健康観察のレベルが上がってくるというようなことは、素人ですけれども、南奈良総合医療センターをデジタルの中心拠点として健康管理するといったような、医療にしろ、包括ケアにしろ、福祉にしろ、そのようなことができないかという構想を持っております。
これは、(仮称)奈良県南部・東部地域振興条例の中で検討を深めていきたいと思います。
発言)【公明党 山中議員】
知事からも、特に過疎地域の方がデジタルの恩恵を受ける可能性が非常に高いということも言っていただきましたので、各市町村と連携をとりながら、1人も取り残さないデジタル化を目指していただくようにお願いをしたいと思います。
南奈良総合医療センターとの健康、医療等の連携については、今後の取り組みをまた質問させていただきたいと思います。

2 今後の新型コロナウイルス感染症の流行に備えた保健所の体制について
これまでの新型コロナウイルス感染症流行時の保健所における業務状況を踏まえ、今後の流行に備えた業務体制の整備が重要と考えるが、どのように進めているのか。

答)【知事答弁】
新型コロナウイルス感染症に確実に対応するためには、第一線で対策に当たる保健所がその機能を十分に発揮することが必要です。

このため、これまでも、感染者の増により業務量が急増した郡山及び中和保健所に対して、本庁や、感染者が比較的少なかった吉野及び内吉野保健所から保健師を応援派遣するとともに、保健師以外でも対応可能な業務を切りわけ、その部分に他職種の職員を応援派遣しました。
また、患者の搬送やパルスオキシメーターの配送等の外部委託化、感染者情報データベースの開発と活用、さらには看護師等の新規募集などにより、保健所機能の維持・強化に努めてきました。

これらの対策は、第4波、第5波が押し寄せる中で現場対応と併行して逐次整備を行ってきたため、運用面での課題もあったことから、感染が落ち着いている今の時期に、今後、感染が再拡大することに備え、今夏における最大の感染拡大時と同程度の陽性者数にもスムーズに対応できる仕組みを構築いたします。

具体的には、保健所への応援職員の動員を、あらかじめ当番制で班編成しておくことにより、感染拡大時に、直ちに出動できる初動対処チームを創設します。

また、動員時に、応援職員が即戦力として、直ちに業務を開始できるよう、事前に郡山及び中和保健所で、疫学調査の演習や感染者情報データベースの操作などの実践的な研修を行います。

今後も、県民の皆様に安心していただけるよう、保健所機能の確保・充実に取り組んでまいります。

 3 軟骨伝導補聴器について
軟骨伝導補聴器は、従来の骨導式補聴器に比べ身体への負担が少ないといった利点があるが、現段階では普及が十分とはいえない。今後必要な方に積極的に使っていただくための取組が必要と考えるが、どうか。

答)【福祉医療部長答弁】

軟骨伝導補聴器は、議員お述べのとおり、奈良県立医科大学の細井学長の研究に基づいて開発された、新しい伝導方法の補聴器で、耳の軟骨部に振動を与えて聞こえを補うものです。
この補聴器は、障害者手帳をお持ちの方に対しては、障害者総合支援法に基づき、令和元年度から特例補装具として支給対象とされています。
県では、聴覚障害のある児童のうち、障害者手帳の交付対象とならない、中・軽度の難聴児についても、耳の入り口から鼓膜までの外耳道が生まれつきふさがっている外耳道閉鎖症の方など、従来型の補聴器ではその効果が見込めず、軟骨伝導補聴器が適合する方を対象に支援を行うため、検討を進めてまいりました。
そこで、既存の「難聴児補聴器購入助成事業」を拡充し、令和4年度より軟骨伝導補聴器についても補助制度の対象にできればと考えています。
当初予算で制度拡充が認められましたら、市町村や関係団体にも周知を図り、軟骨伝導補聴器を必要とする方の活用が拡がるよう努めてまいりたいと考えています。

要望)【山中益敏】
市町村が申請の窓口となるので、制度改正時には、軟骨伝導補聴器が補助対象となることについて、周知を徹底して欲しい。

4 水道施設の老朽化等について
和歌山県で水管橋の破損事故が発生したが、県内の水管橋の状況はどうなっているのか。また、水管橋を含めた県内の水道施設の老朽化対策が課題と考えるが、今後どのように対応していくのか。

答)【水道局長答弁】
1 本年10月に発生した和歌山市水管橋崩落事故を受け、県では、県内水道事業者及び県水道局に対し、和歌山市と形式が同じ水管橋の保有・点検状況調査を実施しました。
2 この調査の結果、対象となる水管橋の数は県内の12事業者46カ所でしたが、事故原因と同様の部材断裂など緊急修繕が必要な水管橋はありませんでした。。
3 水管橋を含む水道施設の老朽化対策については、それぞれの水道事業者等において計画的に実施されています。県は、水道事業者等に対し、その事業に要する費用の一部について財政支援しており、昨年度は24事業者に約6億6千万円、本年度は29事業者に約8億7千万円を交付する予定です。
4 水管橋を含む水道施設の老朽化対策については、それぞれの水道事業者等において計画的に実施されています。県は、水道事業者等に対し、その事業に要する費用の一部について財政支援しており、昨年度は24事業者に約6億6千万円、本年度は29事業者に約8億7千万円を交付する予定です。
5 このことから、県では、水道事業が抱える課題を解決するとともに基盤強化を図るため、県及び市町村の広域連携実現に向けた指針として、平成31年3月に「新県域水道ビジョン」を策定しました。
6 現在、このビジョンに基づき、県がリーダーシップを発揮し、市町村と連携しながら、「県域水道一体化」や「簡易水道の共同管理体制の構築」を推進しており、これらの取組を進めることは、老朽化施設の更新促進にも効果が見込まれると考えています。引き続き、県及び市町村の広域連携による持続可能な水道事業の実現に努めてまいります。

要望)【山中益敏】
本体更新や耐震化など厚生労働省の生活基盤施設耐震化等交付金があるので、修繕等が必要な水管橋があれば、情報も発出していただいて、対応していただきたい。

5 県営住宅のバリアフリー化について
高齢化が進む中で、エレベーター設置など県営住宅のバリアフリー化を推進していくことが必要と考えるが、今後どのように取り組んでいくのか。

答)【地域デザイン推進局長】

1 県営住宅においては60歳以上の入居者の割合が約5割を占めるなど高齢化が進んでおり、バリアフリー化のニーズは高まっていると認識しています。
2 このため、県営住宅の建替えにあたっては、エレベーターを整備し、各戸に手すりを設置するとともに、段差がない車椅子利用者専用の住戸を1階に設置しているところです。本年3月に竣工した桜井団地第1期についても、新規の募集倍率が9倍に達するなど好評をいただいています。
3 また、既存県営住宅においては、入居者が共用する集会所について、耐震改修にあわせて入り口部分の段差解消やトイレの洋式化などのバリアフリー改修を進めるほか、階段の昇降に支障のある方に対しては、希望に応じて1階住居への住み替えを進めています。
4 中高層の既存県営住宅において、エレベーターの設置を行うことは、設置スペースや設置方法など技術的に難しい面があることに加え、家賃等が上昇するという課題もあります。県としては、入居者の状況等も踏まえ、今後もバリアフリー化を進めていく方針ですが、まずは1階等への住み替えなどの取組や、それに併せた住戸のバリアフリー改修などについて、広く実施していきたいと考えています。

要望)【山中益敏】
特に後付けのエレベーター設置については、財政面・技術面で課題が多いということは充分認識している。現在高齢化への対応は、主に住み替えで対応していただいているということであるが、後付けエレベーターを設置されている先進事例と比べると、まだまだ奈良県としては進めていただきたいところがある。引き続き、しっかりと検討も含めて進めていただきたい。

 6 県立高校におけるICT教育の推進について

来年度から開始される県立高校でのBYOD方式によるICT教育について、現在どのように準備を進めているのか。また、一人一台端末を活用した教育を効果的に行うため、県立高校教員の資質向上にどのように取り組んでいくのか。

答)【教育長答弁】
県立高等学校において、令和4年度入学生から、個人所有の端末を学校で活用する、BYOD方式を導入することは、すでに中学3年生や保護者に周知しています。今後、各校において複数の端末の標準的な仕様をホームページで示すこととしています。なお、OSやスペック等の選択について、生徒が悩むことも想定され、各校では入学後担任に相談する機会を設ける予定です。

また、低所得世帯家庭の高校生には、操作に慣れたクロームOSの端末を貸与するため、本定例会に「県立高等学校の教育用機器の取得について」を議案として提出しています。なお、低所得者へ端末を貸与する場合も、家庭での通信費が必要となりますが、奈良県高校生等奨学給付金で通信費相当額が増額されています。

次に県立学校の教員の資質向上については、昨年10月から教育研究所で実施しているオンライン研修「先生応援プログラム」に、新たに高等学校教員向けの研修をもうけ、9月からスタートしています。ICTを活用した教科指導の実践例を視聴するオンデマンド型の研修と、Google Workspace for Education のジャムボード等を活用するオンライン研修の2種類を準備し、教員のICT活用指導力の向上を図っています。また、今年度の高校の学習指導研究会では、全教科で電子黒板などICTを活用した授業研究と指導主事の講義による実践的な研修を行い、各校の代表者が積極的に参加しています。

県教育委員会では、BYOD方式の導入にあたり、マイクロソフトのオフィスやアドビのイラストレータ等を生徒が無償で利用できるよう準備しています。高校のICT教育においては、本人が自らの意志で自分に適したアプリの活用力を高め、情報化社会で生きる力を身に付けようとすることで、第2期教育振興大綱に掲げる「本人のための教育」を実現したいと考えています。

再質問)【山中益敏】
文部科学省のホームページに、教員のICT指導力について掲載があり、奈良県は昨年度からの1年の伸び率が非常に大きく教員の講習会の参加率が非常に高くなっています。各校の代表者が参加して、研修しているとのことでしたが高校教員に限っての伸び率はどうですか。

答)【教育長】
昨年度、教育研究所に教育情報化推進部を設置しました。そこで「先生応援プログラム」をオンラインも含めて実施しています。先ほど申し上げましたのは教科の研究会での参加の状況で、「先生応援プログラム」にはかなりの教員が参加しています。