2022年 9月定例会における代表質問

2022年10月03日

1 「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の世界遺産登録について(知事)

「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の世界遺産登録を確実に達成するため、一層の機運醸成や資産の持つ価値の発信などが必要と考えるが、今後、県は、どのように取り組んでいくのか。
 
<答弁>
議員お述べのとおり、「飛鳥・藤原」の世界遺産登録が先送りされることになり、登録スケジュールも1年後ろ倒し、令和5年度に国内推薦を得、同7年度の登録を目指して、推薦書素案などの必要書類を来年、再提出することになった。本県にとっては、このことを推薦書素案などの更なるブラッシュアップを図る時間ができたと、前向きに捉えているところ。
ブラッシュアップを具体的にどうするかということですが、昨年の国の文化審議会から課題が示されているので、それらの課題の対応に、より深みと広がりを持たせたい。
例えば、中国の律令をそのまま採用した東アジア諸国に比べ、中国以外で唯一律令を制定したのは日本です。そのような独自性を簡潔に説明したい。
併せて、都城の中心に天皇の宮殿を配置することなどが、中央集権体制の形成にどのような影響を与えたのかを検討し、記載できたらと思っている。
ストーリーをまとめて、それをどのように表現するかという課題について、繰り返しご指導仰いでいる。先月8月20日の自民党及び公明党の議員の方々による現地視察の際に、歴史を理解しやすいようにストーリーとしてまとめる必要があるのではないかとの貴重なご意見をいただいた。
「飛鳥・藤原」には、日本のはじまりを形成した飛鳥宮跡や藤原宮跡をはじめ、国際交流の結果伝わった仏教寺院跡や墳墓など、独特の歴史的価値を持つ個々の資産が数多くある。これらの資産の持つ価値を「国際交流」によってもたらされた「律令」や「仏教」、「都城」などの要素に関連付けて、ストーリーとして一体感を持つ紡ぎが必要。このことは、東アジアとの国際交流で到来した文化を日本にうまく取り入れてきたという、日本独特の歴史的文化的価値の本質を理解するうえで、とても大切な作業になるもの。
こうした作業により、「飛鳥・藤原」の値打ちをストーリーとして表現できれば、ARやVRといったデジタル技術等の活用と併せて、この地を訪れる国内外の人々と歴史文化遺産とのスムーズな対話が可能になると考える。
今後とも、「飛鳥・藤原」の歴史的文化価値をより深く理解していただけるよう、世界遺産登録に向け、関係市・村とともに、努力を続けたい。
 

2 今後の奈良県農業の振興について(知事)

(1)輸入農産物の価格高騰による生活への影響が発生している現状などを踏まえ、今後、国内における農業生産力の一層の向上が必要と考えるが、未来の農業を支える新規就農者の確保について、県はどのように取り組んでいくのか。
 
<答弁>
全国で農業従事者の高齢化と減少が進む中、新規就農者を確保することは、本県にとっても重要な課題と考えている。このため、NAFICのアグリマネジメント学科において、新規就農者を養成している。また、県担当課や4カ所の振興事務所において、新規就農に関する様々な相談や、就農後の定着を図るための対応をしているところ。
その効果もあり、県内の新規就農者数は、雇用就農者も含め、令和3年度には48名となっている。
新規就農希望者にとっての大きなハードルは、「技術、農地、資金」の3点。技術面については、NAFICで2年間学べるほか、地域での1年2ヶ月の長期実践研修を実施。また、農地については、なら担い手・農地サポートセンターや市町村とも連携し、新規就農者が農地をスムーズに確保できるよう支援している。資金面では、国の給付金制度の活用等も推進している。
この新規就農者に対する国の給付金制度は、生活費など使途を問わず年間最大150万円を給付するもの。今年度より新たに、従来の給付制度に加えて機械や施設整備等の導入に対する補助制度が創設された。事業費1千万円を上限に、国と県でその4分の3を支援する手厚い制度。
さらに、昨今の資材費等の価格高騰により初期投資額が増加すると、その後の経営にも影響を及ぼし、就農意欲の低下にも繋がる恐れもあると心配している。このため、就農時の負担を軽減するため、6月補正予算による独自の取組として、事業費の上限を2割拡大して1千2百万円とし、その拡大した分の2分の1を本県が緊急的に追加補助している。
未来の奈良県農業を支える新規就農者が県内にしっかりと根付き、営農を継続していけるよう、支援を充実してまいりたい。
 

2 今後の奈良県農業の振興について(知事)

(2)新規就農者をはじめ、意欲ある担い手が安定した農業経営を続けるためには、県内における生産性の高い農業の実現が不可欠と考える。生産性の高い品目への集中やブランド化の促進、農地集積などの対策が必要と考えるが、県は今後どのように取り組んでいくのか。
 
<答弁>
奈良県農業を振興するためには、担い手が儲かる農業を実現できるよう、経営基盤となる農地の規模拡大や、ブランド化を目指した高品質生産への支援が必要である。
農地の規模拡大に関しては、農地の集積が目標。平成26年度より、なら担い手・農地サポートセンターにおいて、高齢化等により管理が難しくなった農地を意欲ある担い手とマッチングすることで、農地の集積を進めている。
次に、高品質生産ですが、重点品目を定め振興を図ることとしている。県の農畜水産業を牽引する主要品目をリーディング品目として、イチゴ、柿などを指定。また、将来性が期待される成長品目をチャレンジ品目として、大和野菜、イチジクなどを指定。それらを重点的に生産振興を図っている。
また、平成28年には、特に優れた特徴を持つ県農畜水産物の認証制度「奈良県プレミアムセレクト」を創設し、現在、柿、イチゴ、大和牛、梨を対象に、高品質な奈良ブランドの育成に取り組んでいる。
さらに、平成30年度より県独自の取組として、収益性の高い農業を実現するため、「特定農業振興ゾーン」の設定を進めている。現在3市4町の9地区で設定されているところ。
この「特定農業振興ゾーン」においては、市町村と連携し、区画の大規模化や農地集積、高収益作物の導入、担い手の育成・確保に係る施策を集中的かつ優先的に実施する。
このような取組を進めてきた結果とも思われるが、サポートセンターを通じてマッチングした農地面積は、令和3年度までの8年間で1,561件、約830ヘクタールに上る。また、平成30年度に特定農業振興ゾーンを設定した5地区の農業産出額の合計が、設定前からのわずか4年間で1割以上増加しているなどの成果が着実に上がってきていることを確認。
奈良県農業の発展のためには、これらの取組を粘り強く続けていくことはもとより、今後は、積極的なデジタル化の導入に新たな活路を求めるなど、様々な工夫を加えていきたい。
 

3 介護人材の確保について(福祉医療部長)

超高齢化社会を迎えている我が国において、介護人材の不足は大きな課題であるが、県の介護人材の確保状況はどうなっているのか。また、介護人材を確保するためには、求職者と求人事業所との的確なマッチングや介護職の処遇改善、就職前の学生等への効果的なアプローチなどが必要と考えるが、県は今後どのように取り組んでいくのか。
 
<答弁>
介護人材の不足は全国的に大変深刻で、本県においても、昨年3月策定の「第8期奈良県介護保険事業支援計画」で、団塊の世代が75歳になる2025年度には約3千2百人が不足すると予想。人材の確保は重要かつ喫緊の課題。
まず、本県の人材確保の状況ですが、第8期県計画の策定において把握した令和元年度時点の2万5千4百人から多少増加傾向にはあるが、依然として人材不足は深刻な状況。
人材確保のためには、人材の「参入促進」と「離職防止・定着促進」が重要であり、その実現に向けて、1つ目として、介護職場の魅力づくりと魅力の向上、2つ目として、その魅力の的確かつ効果的な発信、求職と求人の的確なマッチング、に取り組んでいる。
魅力づくりと魅力の向上につきましては、今後も、賃金アップに向けて、介護保険報酬の処遇改善加算が適切に適用されるよう、指導・助言していく。また、職場のキャリアパス制度の構築など魅力づくり、魅力向上に積極的に取り組まれる介護職場を県が認証するとともに、県補助金等により現場の取組をより促進していく。
次に、魅力発信とマッチングについては、県社会福祉協議会の福祉人材センターと連携し、特に高校生等の若い世代に対し、職場体験、SNSなどにより、仕事の内容や魅力をしっかりと伝え、マッチングに繋がるよう努める。
今後、有識者や現場関係者等で構成する「奈良県福祉・介護人材確保協議会」を定期的に開催し、委員の皆様からご意見をいただきながら、より積極的に取り組んでいく考え。
 
<再質問>
介護福祉士など専門性の高い人材にキャリアアップを通して更なる処遇改善を図ることで魅力ある職業として介護職を目指す人への動機付けにつながるという声もあるが、これらの取組があればお聞かせいただきたい。
また、福祉人材センターを更に活用することで介護職員の紹介や採用の取組が進んでいくと考えるが、この先このセンターをどうのように拡充、活用していくのかお伺いする。
 
<答弁>
介護職場の魅力を構成する要素の1つとして、介護福祉士などの資格取得、経験年数、職責等を踏まえた給与体系とかキャリアパス制度が確立されていることがあげられます。一方で介護職場はメンバーシップ雇用の文化が根付いており、職場一丸となって協力しながら、サービスを提供するという面もあります。資格取得によりどの程度メリハリをつけるのがいいのかについて、全体のモラール維持とかサービス向上につながるかという視点について現場の声を賜り、成功事例を横展開するような情報発信をしてまいりたい。
次に、福祉人材センターの活用についてですが、センターに毎年1万以上の求人・求職の相談が寄せられていて、そのうち5割強が求職側、5割弱が求人側と記憶しています。そのうちマッチングに至ったのが大体200から250件の実績があります。福祉人材センターと情報を共有し、どのような取組をすればマッチング実績が上がっていくのかをしっかり検討し、有効なところから実施していきたいと思います。
 

4 新型コロナウイルス感染症対策について(医療政策局長)

(1)オミクロン株対応のワクチン接種が開始され、小児接種が努力義務となるなど、ワクチン接種を取り巻く状況が変化している中、引き続き適切にワクチン接種を推進していくための体制づくりや情報発信について、県は今後どのように取り組んでいくのか。
 
<答弁>
オミクロン株対応ワクチンの接種については、議員お述べのとおり、県内の市町村においても順次接種が開始。10月半ば以降には、1・2回目接種を完了した12歳以上の全員が接種可能となる予定。
接種を円滑に進めるためには、各市町村の集団接種会場はもとより、個別接種の充実、さらには職域接種の取組など、県全体で接種機会を確保することが必要。
そのため、市町村に接種体制の充実に向けての課題等を確認したところ、市町村が設置している集団接種会場における医師の確保や、オミクロン株対応ワクチンの接種と並行して、1・2回目接種として必要となる従来株ワクチンの接種機会の確保に、苦慮しているとの意見があった。
そこで、県では、市町村の負担軽減を図るため、引き続き、市町村が手を尽くされた上で、医師の確保が困難な場合には、市町村が設置する集団接種会場へ医師を派遣する取組を行うほか、新たに県が従来株ワクチンの接種センターを10月3日から設置することとしている。
加えて、県の広域接種会場も10月下旬以降、設置する予定としており、オミクロン株対応ワクチンの接種加速化を図る。
また、県民の皆様がワクチンの効果や安全性などについて、十分ご理解のうえ、接種を受けていただく必要があるため、これまで積極的に情報発信に努めてきた。今般、オミクロン株対応ワクチンの接種が開始されることや、小児接種に努力義務が適用されるといった、新しい情報についても、よりわかりやすく、丁寧な発信を行う。
特に、小児接種については、保護者の理解が不可欠であり、理解が進む情報を適切にお届けしたい。
今後も、国の動向を注視するとともに、市町村と十分に連携し、円滑にワクチン接種が進むよう、各種の施策に取り組む。
 
<再質問>
1・2回目接種とその後のオミクロン株対応ワクチンを誤接種しないよう、どのような接種体制を構築しようとしているか。
 
<答弁>
議員お述べのとおり、1,2回目接種を終えられた上で、オミクロン株対応ワクチンを接種いただくものであり、その点について、市町村の担当者や医療機関の会議等で繰り返し説明を行っているところ。改めてそのような誤接種がないよう体制を構築していきたい。また、市町村から、今回、1・2回目接種用の会場を確保することが負担であるという意見があったことを踏まえ、県で従来株ワクチン接種センターを設けることにしたところ。このような取組を進めながら、誤接種がないよう、留意していきたい。
 

4 新型コロナウイルス感染症対策について(医療政策局長)

(2)オミクロン株の特性を踏まえ、全国一律で感染症法に基づく発生届の対象を65歳以上の方などに限定することとなったが、発生届の対象外となる方々の重症化や死亡を防ぐため、県はどのように取り組んでいるのか。
 
<答弁>
9月26日から、全国一律で発生届の取り扱いが変更され、発生届の対象が65歳以上の方などに限定される。発生届の対象となる方には、これまでどおりの健康観察などを行えるが、対象とならない方にはその方の患者情報がないため、必要な支援をお届けできないという課題が生じた。
県では、これまで「死亡者を出さない、重症化させない」を基本に取り組んできたので、今回の変更後も発生届の対象とならない方へのアフターケアに遺漏なきよう、万全を期したいと考えた。
そこで、新たに「新型コロナ自宅療養者フォローアップセンター」を保健所に設置し、発生届の対象とならない方を含め、感染された方への積極的な支援を行っていくこととした。
具体的には、発生届の対象とならない方について、医療機関のご協力により、氏名・連絡先などを報告いただくことで、これまでどおり、自宅療養している方に療養期間を記載した冊子やパルスオキシメーター等を送付。また、保健所から電話で連絡し、健康状態を確認するとともに、必要な方に対して宿泊療養施設の利用や市町村の生活支援につなぐ。
併せて、看護師等が24時間対応する電話相談窓口により、体調が悪化した方を医療機関につなぐだけでなく、様々な不安や疑問への相談を受ける体制を整えている。今後もウイルスの特性を踏まえて、県民が安心できる健康管理・フォローアップ体制の確保を図る。
 
<再質問>
発生届対象外の方について、医療機関から氏名・連絡先等の報告を受けることは望ましいが、全数把握の見直しは保健所や医療機関の負担軽減を図るためと理解している。保健所、医療機関の負担軽減は図れているのか。
また、「新型コロナ自宅療養者フォローアップセンター」の体制、機能についてもう少しご説明頂きたい。
 
<答弁>
発生届対象外の方について、医療機関から県独自に報告頂く項目は発生届で求めている項目よりも少ないため、医療機関にとっても負担軽減に繋がっている。また、保健所は従来、提出された発生届の内容を入力していたが、報告される項目が減ることで、陽性者の方の情報を入力する負担が軽減。
「新型コロナ自宅療養者フォローアップセンター」は、これまで行ってきた自宅療養者へのパルスオキシメーター送付等の取組に加え、希望される方ヘは市町村の支援へ繋ぐこと等も行う。また、「新型コロナ自宅療養者フォローアップセンター」は保健所に設置するが、業務の一部は委託で行っている。発生届の対象となった方でも重症化リスクが低い方への電話連絡は一部委託業務で行うなど、運用も見直しており、保健所の負担軽減を図っているところ。
 

4 新型コロナウイルス感染症対策について(医療政策局長)

(3)新型コロナウイルス感染者が累計で増加している中、新型コロナウイルス感染症の後遺症に悩んでいる方も多いと聞いているが、新型コロナウイルス感染症の後遺症にかかる県の対応はどうか。
 
<答弁>
新型コロナウイルス感染症の後遺症に悩まれる方々の症状は、疲労感や倦怠感、関節痛、咳、息切れ、不眠、頭痛など様々。県では、このような症状でお悩みの方々に対応するため、昨年の8月に、保健所などにおける相談対応や、必要に応じて新型コロナの治療を行っている病院をご案内できる体制を整え、これまで運用してきた。
他方で、新型コロナの後遺症について様々な研究が進められ、現在では、一般の医療のなかで対処できるものがあることが分かってきた。
そこで、県では、今月から後遺症による症状の具体例を県ホームページに掲載し、症状が続く場合には地域の医療機関を受診していただくようご案内している。また、後遺症でお悩みの方に、地域の身近な医療機関を受診していただけるよう、現在、県医師会を通じて、県内の医療機関に、後遺症の診療への協力を呼びかけている。
今後も、新型コロナウイルス感染症の後遺症に悩まれる方々に、必要とされる医療的サポートをお届けできるよう、体制の充実に努める。
 

5 大和川流域の流域治水対策について(県土マネジメント部長)

ゲリラ豪雨の頻発など、気象状況が大きく変化している中、流域治水対策を一層進めていく必要があると考えるが、奈良県平成緊急内水対策の進捗状況はどうか。また、大和川流域の特定都市河川指定を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか。
 
<答弁>
大和川流域では、昭和57年の大和川大水害を契機に、大和川流域総合治水対策として河川改修等の「ながす対策」と、雨水貯留浸透施設整備等の「ためる対策」に取り組んできた。
さらに平成29年の台風21号による内水浸水被害を受け、平成30年度より新たな「ためる対策」として、必要な貯留施設等を適地に整備する奈良県平成緊急内水対策事業を実施。
この事業開始後の令和元年10月の台風19号により、全国的に甚大な被害が発生したことから、100年に1度の大雨にも耐えられるようグレードアップし、取り組んでいるところ。
奈良県平成緊急内水対策事業の進捗状況は、現在16箇所で事業着手しており、このうち、議員お述べのように田原本町の1箇所で完成。残る15箇所のうち、すでに工事着手している4箇所に加え、今年度新たに、県高田土木事務所の駐車場地下貯留施設など6箇所で工事に着手する予定。さらに、残りの5箇所についても設計・用地交渉を進めているところ。
議員お述べのように、大和川が特定都市河川に指定されたことにより、国からの補助率が1/3から1/2に拡充された。これに加え本県では独自に、市・町に対し、総事業費から国費と交付税措置額を除いた実質負担額の2分の1を支援している。また、技術支援としては、技術者が不足する市・町に設計業務や工事発注、監督業務などを県が受託する垂直補完も実施。
これらの取組により、奈良県平成緊急内水対策事業の一層の推進を図る。引き続き市・町と十分連携し、大和川流域における床上・床下浸水被害解消に努める。
 

6 県立学校におけるインクルーシブ教育の推進について(教育長)

共生社会の形成に向け、インクルーシブ教育の推進が求められているが、これまでの高等養護学校の分教室の取組など、県立学校におけるインクルーシブ教育の推進について、どのように取り組んでいるのか。
 
<答弁>
共生社会の形成に向けて、障害のある生徒と障害のない生徒が共に学ぶことは大変重要であると考えており、これまでから、特別支援学校の生徒と、高等学校の生徒との交流や共同学習を実施。特に部活動において、中学校の特別支援学級に在籍しながら行っていた野球部の活動を特別支援学校高等部に入学しても継続するため、地元の高等学校である五條高等学校に副学籍を置く新たなインクルーシブ教育のシステムも構築。
また、平成28年4月には、インクルーシブ教育を更に推進するため、高円高等学校、二階堂高等学校、山辺高等学校に高等養護学校の分教室を設置。今年度、高等養護学校の生徒の約4割に当たる78名が分教室で学び、高等学校の生徒と共に、農業や福祉、体育等の授業、生徒会活動や部活動で交流や共同学習に取り組んでいる。双方の生徒が相互理解を深め、多様性を尊重するなど、共生社会の形成者として必要な資質が身に付いてきていると考える。
今年度より、これまでの分教室の取組の成果を検証した上で、山辺分教室の取組を発展的に解消し、知的障害のある生徒を対象として、山辺高等学校で農業科の教育課程を学ぶ自立支援農業科を新たに設置。この全国初の取組により障害のある生徒の就労に向けて、近い将来、農福連携につながることも期待。
また、大和中央高等学校では、平成30年度より、障害のある入学生徒に対して、ソーシャルスキルトレーニングの授業を行うなどの通級による指導を実施。今後、特別支援学級から高等学校への進学者の増加に対応するためにも、通級による指導の充実を図りたい。
 
<再質問>
山辺高等学校自立支援農業科において、農福連携について、今後どのように取り組んでいくのか。
 
<答弁>
これまで、高等養護学校の山辺分教室の取組では、高等養護学校の教育課程と、山辺高等学校の教育課程の一部分で交流の授業が行われていた。今回、新しく設置した山辺高等学校の40名の農業科の中には、障害のある生徒を対象とした学科と障害のない生徒を対象とした学科があり、農業に関する専門的な内容を学ぶ「農業と環境」という授業や、季節に応じた作物を栽培し実践的な生産活動を行う「総合実習」の授業等で、共に学んでいる。障害のある生徒と障害のない生徒が同じ授業で共に学び活動する中で、お互いの考え方や感じ方を知ったり、違いを認め合ったりするなど、自然な関わりが生まれてくると考える。
このように山辺高等学校で共に学ぶことを通し、障害のある生徒も、障害のない生徒も、将来の農福連携を推進する担い手になればと考えている。
 

7 物価高騰の影響を受けている生活衛生業をはじめとする事業者への支援について

最後に、物価高騰の影響を受けている事業者への支援について要望いたします。ロシアによるウクライナ侵攻や円安等の影響で、エネルギーや食料品等の物価が高騰しています。これにより、生活者、事業者は大きな影響を受けています。特に小規模な事業者は、物価高騰の影響を大きく受けており、事業を継続していくことが厳しい状況となっています。私のところにも、事業者からの声が届いております。例えば、あるクリーニング店では、クリーニング溶剤を始め電力・ガスなどの価格高騰が続いている中、クリーニング料を値上げすることもできず苦しんでおられるようです。
こうした県民生活の維持に必要な事業は多くあり、中小の事業者も県内にはたくさんあります。物価高騰の影響は中小の事業者ほど大きいもので、今回の物価高騰による影響を緩和するための行政からの支援を隅々の事業者まで届けていく必要があると感じています。
県におかれましては、6月補正予算において、物価高騰対策を実施して頂いているところです。また、今議会に提案されている9月補正予算でも、中小企業等の新規事業への取り組み支援や農家への支援について、予算を計上して頂いています。しかしながら、物価高騰の影響は広く、全業種に及ぶものであります。
そこで、今後、物価高騰の影響を受けている生活衛生業をはじめとする様々な事業者に対し、広く行き渡るような支援を行っていただくよう要望いたします。